[活動紹介] 事例紹介

サムスン・シルクロード文化財保護フェローシップ

 中国のシルクロード沿線に点在する文化遺跡には、人類共通の貴重な財産である膨大な文化財が存在しています。これらの文化財を保護・保存修復して後々まで伝えていくことは現代に生きる我々の使命です。しかしながら、中国における文化財保存修復に従事する専門家の数は不足しており、多くの文化財が修復されない状態で危機に瀕しています。
 財団では、韓国サムスングループの支援を受けて、文化財保存修復の専門家育成プログラム「サムスン・シルクロード文化財保護フェローシップ」を立ち上げ、中国国家文物局と連携し、文物研究所文物保護修復トレーニングセンター及び東京文化財研究所等の先生方の指導による研修を実施し、シルクロード沿線の6つの省(陝西・河南・甘粛・新疆・青海・寧夏)の博物館等に勤務している若手研究者を2006年から5年間で100人程度研修し養成しました。



研修は、
 1)土遺跡保護専攻 (土構造の遺跡の観測方法、修復技術)
 2)博物館文化財専攻 (博物館館蔵品の修復)
 3)考古発掘専攻 (発掘現場の管理、出土遺物の保護)
 4)古建築保護専攻 (木造建造物の分析、修復技術)
の4コースがあり、それぞれの理論、実験と現場実習を行いました。
このプログラムを支援するために日本サムスン社では、毎年、平山郁夫シルクロードカレンダーを作成し、募金活動をおこないご寄付を頂いた方に提供しました。カレンダーは平山氏が描いたシルクロード沿線の遺跡を6年にわたり奈良からローマまで辿るものです。
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