財団の活動事例

第五回「日中韓文化交流フォーラム」

  • 1. 日時
    2009年10月15日
  • 2. 会場
    中国・揚州市迎賓館3号楼
  • 3. 出席者
    [日本]
    委員長 :小倉和夫(国際交流基金理事長)※欠席
    委員 :松尾修吾(国際交流基金理事)
    :玉井賢二(文化財保護・芸術研究助成財団顧問)
    :大海渡憲夫(国際交流基金参与)
    :村木茂(文化財保護・芸術研究助成財団事務局次長)
    [中国]
    代表 :陳旻蘇(中国人民対外友好協会会長)
    委員長 :劉徳有(中国対外文化交流協会常務副会長)
    委員 :井頓泉(中国人民対外友好協会副会長、中日友好協会副会長)
    :馮佐庫(中国人民対外友好協会副会長、中韓友好協会副会長)
    :朱丹 (中国人民対外友好協会アジア部副主任)
    :関立(中国人民対外友好協会日本部副主任)
      :関涌 (中国人民対外友好協会日本部処長、中日友好協会友好交流部長)
      :洪磊 (中国人民対外友好協会アジア部科員、韓国語通訳)
      :許奕怡(中国人民対外友好協会アジア部科員)
      :劉夢妍(中国人民対外友好協会日本部科員、日本語通訳)
    [韓国]
    委員長 :鄭求宗(韓日文化交流会議委員長)
    委員 :朴三求(韓中友好協会会長、錦湖アシアナグループ会長)
    :崔成泓(元外交通商部長官)
    :李元泰(韓中友好協会副会長)
    :徐鉉宰(韓日文化交流会議事務局長)
    :趙有情(韓日文化交流会議事務局)
  • 4. 各国委員発言概要
    [中国]
    (1) 中日韓三カ国の協力発展は、アジアのみならず世界への影響力が大きい。
    (2) IT革命により国際間の文化交流は多様化し、インターネットによる情報発信が新聞・雑誌・テレビを凌駕するようになっており、アニメが中日韓の少年に重大な影響を与えているが、各国の伝統文化や民族文化を担う後継者の養成そしてバイタリティー溢れる溌剌とした若者によるクリエイティビティこ そが文化交流の要点になる。そのようなことから、青少年交流は格別に重要であり、これを着実に継続しなければならない。
    [日本]
      欧州はEUとしてまとまろうとしているが、三カ国は、ゆるやかな連帯により様々な議論を重ね、アジアの将来の共同体の可能性を拓いていきたい。
    [韓国]
    (1) 若い人たちの交流が、三カ国の協力関係に寄与する。
    (2) 三カ国は、かつてないほど共存関係が強まり、ハツラツとした時代を迎えている。当フォーラムが文化交流にいっそう寄与するように努力したい。
    [自由発言(提案)]
    (1) 三カ国の間では、より理性的で客観的な事実に基づき相互理解を深めることが重要であり、そのことが多くの若者に影響を与え行動へと波及する。
    (2) 民間外交の優位性を発揮し、文化の懸け橋と絆の役割をいっそう発揮したい。
    (3) 三カ国の文化交流では、人材育成が大事である。
    (4) 東京藝術大学では120周年記念事業がきっかけとなり、色々な面でアジア諸大学と連携してプロジェクトを立ち上げ、現在、実施の段階に入っている。
    (5) 三カ国の文化は分母が同じで共通するものが多いが、一方で違いもある。そのことを互いに認識することが大事で、今後の交流発展のキィー・ポイントである、フォーラムの使命もそこにある。今後、それを成果として形にしていきたい。
    (6) 三カ国の交流範囲を、広く一般の団体にまで拡大することが重要で「文化共同体の構築」について大胆に語り合えば大きな進展を遂げることができる。
    (7) 「経済共同体」と「文化共同体」は、相互に推進力になる。更に、文化交流をグレード・アップする必要があり、そのためのスケジュールを作り、将来実現するプロジェクトとして蓄積することが肝要である。
    (8) シルクロードに似た文化交流の回廊または絆というものを構築してはどうか。例えば、北京・東京・ソウルは港に近いので、海上クルーズで三カ国の首都を巡りながら三カ国で共同生活やイベントを行えば良い。
    (9) 「料理」文化の交流といのもある。
    (10) インターネットが盛んになる一方、読書人口が減少しており、教育を強化する活動も三カ国との交流テーマとなる。
    (11) アジア・東南アジアの世界への影響力が拡大しており、三カ国の文化交流を通じて。世界のアジアに対する理解を一層促進できる。
    (12) 東アジア共同体の実現は、秩序よく、時間をかけて取り組む必要があり、文化共同体からスタートするのは、良いアイデアである。
    (13) 未来を担う青少年の交流を三カ国は使命とし、これをさらに強化したい。
  • 5. 関連イベント
    フォーラム開催に際し、下記のイベントが行われた。
    (1) 日中韓仏教フォーラム(10月15日・午後2時〜5時、於:鑑真図書館)今回のフォーラム開催地は、鑑真和上ゆかりの大明寺がある揚州市であったことから、仏教をテーマにフォーラムが行われ、同時に、世界平和を祈る「祈福法会」が中国国内の信徒を中心に約1,000名を集め行われた。仏教フォーラムには、日本から、薬師寺・松久保伽(か)秀(しゅう)執事、法隆寺・大野正法(しょうほう)執事、唐招提寺・西山明彦(みょうげん)執事が参加した。

    (2) 日中韓コンサート(10月14日・午後7時半〜9時半、於:揚州市体育センター)陳昊蘇中国人民対外友好協会会長出席の下、三カ国友好コンサートが開催された。コンサートには中国の人気歌手が多数出演。三カ国国旗がデザインされたステージで、著名な司会者による進行の下、三カ国の歌や踊りが披露され、その模様は中国国内にテレビ中継された。

    (3) 日中韓筆会(10月16日午前8時半〜11時半、於:大明寺・鑑真学院)三カ国の芸術家が集い、それぞれ作品を制作の後、展示。完成作品は、記念として、会場の鑑真学院に寄贈された。
    日本からは、
    三田村 有純(みたむらありすみ)(漆藝作家・東京藝術大学美術学部教授)
    佐伯 守美(さえきもりよし) (陶藝作家・文星芸術大学非常勤講師)
    中島 宗晧(なかじまそうこう) (書道家・宇都宮大学教育学部教授)
    の各氏が参加した。

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